8月 2015

mamushi

マムシ

玄関の戸をガラガラと開けたら、ヘビの這う姿が目に入った。 買い物から帰り、片手で娘を抱いて古民家の戸を開けたら、土間をヘビが這っていた。野外ではなく、家のなかに、家族の生活空間にヘビが居る。そのことに対して半泣きになり、早く夫へ電話しようと思いながらよく見ると、マムシではない。これは確かに生きたヘビだけど、マムシではない。そうしてすこしずつ我にかえり、「お願いだから、早くここから出ていって下さい」と睨むと、裏口の僅かな隙間からそのヘビはのそのそと出て行った。山から帰宅した私にそのことを共有してくれた妻いわく、そういう状況だったらしい。ヘビに対して「出て行って」と睨んだ妻の顔はどんなだっただろうかと思い浮かべたら、少しどきっとした。その感情はともかく、突然目の前にヘビが現れて怖かっただろうな。マムシじゃなくてアオダイショウで良かった、ほんとうに。...

脂ののった夏鹿の鹿肉

鹿肉を売る、という覚悟

鹿肉を売れない。やっぱり、このままのレベルじゃ、僕の鹿肉は売れない。 彼が獲り、捌き、手掛けた肉のしっとりしたやわらかさ、噛みしめる度に出てくる旨みに叩きのめされた。きっとそうなんだろうな、と薄々感じてはいたけど同じ素材でここまで味が違うという事実に直面し、打ちのめされた。そしてあまりの情けなさに、涙が溢れだして止まらなくなった。悔しくて情けなくて涙が溢れるなんて、いつぶりだろう。彼はこっちを見ることもせず、ただ黙っていた。それは、個人で獣肉処理施設を建設し食肉処理業を取得し、獲った獲物を販売する設備と段取りが整った矢先のことだった。...

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ニホンミツバチの蜂蜜。

ニホンミツバチは野性種で、主に山野に生える巨木の樹洞や岩穴に巣をつくって暮らしています。営巣場所の特徴を挙げると、外敵(ツキノワグマ、オオスズメバチ等)の侵入を防ぐことが可能な小さい巣穴、穴の奥には巣を作るのに適した広い空間、雨水の浸入を抑えることが可能、といった条件を備えているように思います。しかし現代ではそんな良い場所(巨木)はなかなか自然界にないため、電柱の中に営巣したり、お墓の納骨堂の中へ営巣したり、人の暮らしも利用しながら生活しています。...