なぜ、イノシシを狙うのか。
イノシシ猟師をしている理由を、ふと思い返してみた。 なんでだろう、ってちゃんと考えたことはあまりなかったかもしれない。 生物として自分より圧倒的に強く、畏敬の念を抱く存在と勝負するのは恐い。でも、楽しい。その獲物を捉えるために入念な準備をして、洞察力を駆使してワナを掛け、掛かったイノシシを手にする。その時間を、僕が好きだからに他ならない。 知らずに涙がでる瞬間もあってドキッとすることがある。野垂れ死にするつもりは毛頭ないから、細心の注意を払っている。人に言われてやっていることではなく、溢れる情熱と確かな覚悟に基づいている。 ...